堀江貴文、お前は何者だ!
- 「100億稼ぐ仕事術」。一日の行き帰りで読了+α。
- 作者: 堀江貴文
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2005/02/19
- メディア: 文庫
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私はメールを一日平均5000通読んでいる。
で始まり、
0.ゼロカラ
1.ヒト
2.ジカン
3.ジョウホウ
4.カネ
5.ツール
∞ 100オクカラ
という、身も蓋も無い章のタイトル、さすが文学部中退は伊達ではない、と思わせて、
私は常にシビレル人生を歩み続けていきたい。
と、まるで小学生の卒業文集みたいな一文で締めてみせる。しかも、「5.ツール」は、自分の会社の製品の宣伝ばかり。成る程、とにかく、これでなくては、100億稼げない!と言う説得力がある!このカタカナのタイトルも、漢字に変換する時間が無駄だ!と言わんばかりで、これぞ、ホリえもん、と思えてくる。
「2.ジカン」も面白い。『私のメール速読術は、ショートカットキーを覚えることだ』とか、ずるっときそうなセリフが連発なのだが、それはもっともで、王道の基本をしっかりやって、後はひたすら頑張るしかないのだ。彼はすごく正しい真っ当なことを言っているのだ。でも、この違和感は何なのだろう?ある意味、この違和感は爽快感かもしれないのだが。パソコンのディスプレイは上下逆さまにしてメールを読め!みたいな無茶苦茶な種とか仕掛けがあるようなことは絶対言わない。やっぱり、すごく真面目な真っ当な人だとは思う。だけど、本を書けと言われても、こんな当たり前の事を何の衒いもなく書けるか?というのが、違和感なのだ。彼にしてみれば、それをこうして読んでくれる人がいるんだから、ゴーストライターを使って書けばいいでしょう、と言うことなんだろうけど、何故、ここで、こんな当たり前のことを書いてもなぁ、とこの人は思わないのだろう?何故、そんなに割り切れるのか?デジタルなのか?そこが分からない。それが今の若い世代と言うことなのだろう。とにかく、それは経営者として優秀だ、と言うことだ。
別に、ライブドアは画期的な新技術を開発して成功したという会社ではない。ニーズのあるソフトの販売権を取得したり、M&Aで大きくなってきた会社だ。ネット関連と言うことで、ハイテクみたいなイメージもある。しかし、扱っている商品はハイテクだが、営業やマーケティングなどのビジネスのセンス、マネジメントで成功した会社なのだ。勿論、だから悪いと言うことではない。冷凍エビだって、ソフトウエアだって商品なのだ。ただ、エビのビジネスなら出来る人は幾らでもいても(本当はそうじゃないんだろうけど)、もしくは、理解できるような気が誰にでもしても、こういうハイテクをビジネスとして扱えるセンスのある人というのはあまりいないし、世の中一般から見て理解できるような気がしない、ということなのだと思う。もし、彼が大豆輸入のビジネスマンだったら、例えどんなに成功して同じようなことをやったとしても、こういう騒がれ方はしなかっただろう。営業マンとして、彼は非情にまともでエネルギッシュで優秀だと思う。ただ、その営業としての真っ当さと、扱っている商品のイメージのギャップが、彼のイメージをわかりにくく見せているのかもしれない。
彼の仕事に対する内面的なモチベーションと言う点については、「やることがなくなる「快感」を味わう」と言っている通り、何か理想を求めてという人ではなく、やっぱり、試験問題をバリバリ”片づける”のに快感を覚える、と言う質の実務家タイプの人だというのは間違いない。
いずれにせよ、こうして長々と駄文を書かされちゃったんだから、彼の勝ちと言うことなんだろうな。
- この本、ソフトバンクから出てるんだ。