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『血と骨』
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- 公式ホームページ
- 作者: 梁石日
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2001/04/01
- メディア: 文庫
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- なかなか良かった。ビートたけしが演じる主人公、金俊平、という人物は、共感とか理解の対象ではない。人間には理解出来ない荒ぶる神に近いかもしれない。その意味で本当に神話的な物語である。神話では、ギリシャ神話でも何でも、神様が人間とか妖精とかいろんなものを、無理矢理手込めにしてしまうとか、誘拐してしまうって、よく出てくる、と言うよりそう言う話ばかりだが、あれと同じ。
- 何故、あんな男が子供を欲しいと思うのか?人間的な感情で子供がかわいいから欲しいと思っているなどとは思えない。実際かわいがった試しもない。そんな人間的なモチベーションではなく、世界に自分の痕跡をまき散らしたいという動物の本能的な欲望なのだ。抱きたいから抱く(恋愛とか好きとかそう言うの無し)。飲みたいから飲む(酒が好きとかうまいとかそう言うの無し)。血が騒ぐから、暴れたいから暴れる(腹が立つとかめんどくさい理由は無し)。花子の葬式の場面もそう。妻の英姫の焼き場のシーンもそう。
- 演出も情念とか歴史ロマンみたいな叙情に流れたところがなくて、非常に散文的。簡単に”理解”とか”感動”なんてさせてくれない崔陽一監督の骨太で硬派な演出が今どき気持ちよい。
- よく言われることだが、タケちゃんの暴力シーンは、映画のタテじゃなくて実戦の痛さがありそうだが、この映画でも大暴れ。濡れ場のシーンも、もういきなり入れたい、っていう感じで、こちらも実戦通りか?この役は、この芸大教授以外はやっぱり他に考えられない。鈴木京香もいきなり冒頭から2回も押し倒されて、特殊メークでばあさんまでやって、大熱演。でも、人間的・イメージ的・キャラクター的には、こういう熱演がバッシング対象にならないのでは。
- 美術は特筆もの。あの長屋。在日韓国人の生活。ブタを捌くところはまだしも、アルミ缶に入れてウジ虫で発酵させた生豚肉はきつかった。ゴミゴミした路地やかまぼこ工場。あの決して電車がやってこない路面電車の線路。北朝鮮へ旅立つ大阪駅のシーン。あの黒塗りの列車が良い。看板とか細かい小道具まで本当に力入れてやっている。
- オダギリジョーさん、来年は鈴木清順監督の「オペレッタ狸御殿」ですか?!『血と骨』のHP見るまで知らなかった。ピストルオペラ、狸御殿と来たら、多分もう一つやって三部作なのかな?
「オペレッタ狸御殿」
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- http://www.tanuki-goten.com/
- http://www.herald.co.jp/official/tanuki_goten/
- http://www.sponichi.co.jp/entertainment/kiji/2004/04/15/04.html
- http://www.ztv.ne.jp/ann/opetanu11.htm
- 出演:チャン・ツィイー、オダギリジョー、薬師丸ひろ子、由紀さおり、山本太郎、高橋元太郎、パパイヤ鈴木、篠井英介、市川実和子、平幹二朗
- 薬師丸ひろ子と言うのが意外な気もするが、狸顔という点では妥当なキャスティングか?などと書いたら、狸じゃなかったりして。予告編、やたら楽しそうだ。でも、鈴木清順とオペラって?どういう組み合わせなのかよく分からない、と言うのが、いかにも鈴木清順という感じだ。そう言えば、市川雷蔵映画祭でも狸御殿ものあったっけ、見のがしたけど。ドラクエ8のもう一つの結末も「竜御殿」だし、今、時代は「狸御殿」なのだ!…ろうか?