ジパング』17巻

ジパング (17)    モーニングKC

ジパング (17) モーニングKC

    • 一息に読んだ。だんだん、歴史を逸脱しつつあり、インドへ戦線を展開。ますます面白くなってきた。草加はどこかで花と散ってしまうんだろう。そのとき、”みらい”の真の理解者はいなくなってしまうのだが、…。17巻では出てこない中国戦線はどう動くのだろう?
    • かわぐちかいじの漫画は何と言ってもキャラクターが明確に書き分けられているのがよい。とはいいつつも、構図はいつもそんなに変わらないかな?『沈黙の艦隊』と比べると、あの人がこの人になって、この人が、というのが言わずもがなだけど。それから、現場と制服組という構図。そうした全体を描ききるところに、かわぐちかいじのダイナミズムが出てくる。『アクター』だって、役者と監督の話だから、似たようなものかな。『太陽の黙示録』の方はもっとスケールが大きいので、こちらはどうなるか?
    • こんな超大作を2本同時に進めるというのは、凄いことだが、昔は手塚治虫とかもっと滅茶苦茶だったんじゃないかな?鉄腕稲尾みたいな世界で、連投、連投で。それが、最近のスピリッツなんか、面白くなってくると、休載、休載。酷使されて、燃え尽きてしまっては、と言うのももっともだけど、やっぱり、もっと頑張って欲しい。スピリッツは『20世紀少年』読みたくて毎週買う癖がついたけど、他に読むものが『中退アフロ山田』位しかない。後は読まずに捨てても良いか、と思うが、もったいないしせっかくだから読むという感じ。『20世紀少年』が休みだと、騙されたような気分になる。

『レイテ戦記』大岡昇平

レイテ戦記 (上巻) (中公文庫)

レイテ戦記 (上巻) (中公文庫)

レイテ戦記 (中巻) (中公文庫)

レイテ戦記 (中巻) (中公文庫)

レイテ戦記 (下) (中公文庫)

レイテ戦記 (下) (中公文庫)

  • 毎晩、寝る前に数ページずつ読んでいるのだが、やっと下巻まで来た。決して、読んで面白いとか、ためになるとか、そう言う本ではない。本当は、ちゃんと地図などをチェックして頭に入れながら読まないと、だんだん分からなくなってくるし、細かいところが理解出来なくなってくる。そこまでする根性もなく、結構細かいところはながしながら読んでいるけれど、途中で読むのを止めてはいけない本だ、と思うので、読み続けている。
"死んだ兵士の霊を慰めるためには、多分遺族の涙もウォー・レクイエムも十分ではない。
   家畜のように死ぬ者のために、どんな弔いの鐘がある?
   大砲の化け物じみた怒りだけだ。
   どもりのライフルの早口のお喋りだけが、
   大急ぎでお祈りをとなえてくれるだろう。
これは第一次世界大戦で戦死したイギリスの詩人オーゥエンの詩「悲運に倒れた青年たちへの賛歌」の一節である。私はこれからレイテ島上の戦闘について、私が事実と判断したものを、出来るだけ詳しく書くつもりである。七五ミリ野砲の砲声と三八銃の響きを再現したいと思っている。それが戦って死んだ者の霊を慰める唯一のものだと思っている。それが私に出来る唯一のことだからである。"(上巻、73頁)
  • 最近の自衛隊イラク派遣や中国問題などについての世論やマスコミの論調について、あれこれ論じようとは思わないのだが、あれこれ言う前にまずこの本をもう一度全部読むべきだと思う。