• やっと、『誰も知らない』,見てきた。深く、深く、すごく深く心を動かされた。いわゆる女性週刊誌の見出し的には、『ああ、このバカっ母!』なのだけれど、実際殆どそうなのだけれど、そう言ってそこから先に想像力を及ばせようともしないのは、ひょっとしたらもっと怖いことで、あそこで子供たちとすれ違っていた通行人たちこそ我々なのだ、と思うとそれは凄く恐ろしい。と、パンフレットの監督の話を読んで改めて思った。
  • パパさん達もだらしなくて、みんな勝手で、オイオイ、とも思うけど、悪意ないんだから困ってしまうけど、どうしようもないと言えばどうしようもない、訳ないんだが。(何を言っているんだ?)そもそも、あのお母ちゃんがいたところで何の役にも立っていない。『どうせ私がいても何の役にも立たないから、お金さえ渡しておけば、私がいなくても大丈夫。』と言うと、無茶苦茶だが、それはそれなりにそうかという部分もある。
  • と、錯覚してしまうのも、子供たちの生の絶対的な輝きがあるからなのだと思う。人より不幸だからとか、人よりお金持ちだから、と言う相対的な価値ではなく、初めて植えた種が芽を出す、初めてグローブをはめる、初めてマニュキアを塗る、その絶対的な生の喜び。だから、飛行機を見に行けなかったユキちゃんが可哀想で、…。