『球体関節人形展』

天気良いから出かけるか、と言って足が向いたのは、東京現代美術館の『球体関節人形展』 http://www.ntv.co.jp/event/kyutai/ の最終日。不健康だ。。。目当ては、当然四谷シモン

  • 人形とは知りつつも、目線が合うとどきっとする。しかし、目線が合わない人形もいる。目線が合う人形と目線が合わない人形。この世を見ている人形とあの世を見ている人形。
  • アートにいってる人形、耽美な修飾に走っている人形、は、へえー、というとこ止まりという感じで、あんまりおもしろくなかった。泡のように顔が湧いて出てきている人形や奇妙な形の人形など見ると、どうしても、永井豪の『デビルマン』など思い出してしまうが、あれで免疫がついてしまったのだろうか?
  • ポップなオブジェになっている四谷シモンの人形はやはりずばぬけて凄い、かっこいい。四谷シモンの人形は目線を合わせようと思っても合わなかった。最近の巨大男性人形は、迫力満点。人形と言うには巨大で、彫刻のようでもあるし、むき出しにされて情けない表情と、筋肉隆々で巨大な身体、パッチから出る軽そうな感じの組み合わせが何とも言えない不思議さ。70年代の毒々しくも、憎らしくも、かわいらしい金子國義的少女たちと比べると、最近の少女は少女と言うことに余り意味はなく、むしろ少年や天使と同じ透明感をたたえた表情だ。近年の天使や少年、少女達は、まるで全てを知っている、全てを理解しているが故の無垢さとでもいった不思議な雰囲気を漂わせるのに、巨大男性像はますます混迷し情けなくなっていくかのようだ。
  • 山吉由利子の人形、顔が何とも言えない。セーラー服の人形が上目遣いで睨みつけてくる。こびる上目遣いではなく、小さな体から出る全ての力を込めているような。中村寝朗の人形、暗黒舞踏さんたち、目が合うので怖い。笑っている人形と目を合わせてみたら、本当に怖かった。吉田良の人形、正統エロで良い。後は、この3人が良かった。
  • お客さんは、押井守経由で来たと思しき筋の人も当然多くというか大半なのか、盛況でかなり込んでいた。
  • 常設展は殆ど見る時間なくて駆け足で、10分で1階だけ回ったが、横尾忠則の『腰巻きお仙』のポスター、金子國義草間弥生、が1枚ずつ。あとは大江健三朗の新刊の挿絵等。
  • 東京都現代美術館

http://www.mot-art-museum.jp/top.htm
はアクセス不便だが、下町を歩いていくと、いきなり超モダンな建物が出現するのが妙な感じ。都営大江戸線清澄白河」駅から、てくてくと歩いていった。初めて大江戸線に乗ったが、本当に車両が小さい。中吊り広告は背の高い人のじゃまにならないように、-v-と言う形にまくり上げられていた。