ファンタジウム(4): 杉本 亜未

ファンタジウム(4) (モーニング KC)

ファンタジウム(4) (モーニング KC)

 この難読症というハンディキャップと天才手品師という天賦の才能、その二つを同時に与えられてしまっているところ、その二つをあわせて一人の人間として主人公を描いているところが、これは面白い。子供は大人が思うほど子供でもないし、大人が求める程大人でもない。そんなに悪人でもなければそんなに善人でもない。4巻で出てきたガンテツも、どんな奴かなあ、と思って読んでたけど、良い奴じゃん。
 この良い奴の話が書ける人を選んでいる、というのが、今の講談社〜モーニング系の強さじゃないですかねえ。そこが、小学館〜スピリッツと全然違うようになってしまった。なんか、近頃のスピリッツって、頭でっかちで「時代と寝てみました」という嫌らしさばかり目立つんだよね。