美輪明宏、上演中舞台で右手を骨折

http://www.sanspo.com/geino/news/090416/gnj0904160501004-n1.htm

 俳優、美輪明宏(73)が、東京・銀座のルテアトル銀座で上演中の舞台「毛皮のマリー」で右手を骨折したと、16日発売の「女性セブン」が報じている。
 「毛皮の−」は1967年初演で故・寺山修司さん(享年47)が美輪のために書いた。美輪演じる美少年と暮らす男娼が主人公。同誌によると、美輪は8日夜の舞台で、水夫に馬乗りになる場面でバランスを崩して転げ落ち床に右手をついた拍子に、右手首上部を骨折したという。

 えっ?一昨日も、全く気がつきませんでした。すごい・・・、としかいいようがない。やっぱり、人間としてこの人はすごい。

 会場前のアナウンスでも、携帯電話切って下さいだけじゃなくて、堰はハンカチで押さえて下さい、とか、まあ、そうなんだけど、やっぱり身構えさせられましたね。8割5分くらい女性客だったかな。最後のカーテンコールも前の方はみんな立っていたなあ。
 ル・テアトル銀座は、前には東京フィルメックスかなんかで行ったけど、こぢんまりした劇場だけど、これ以上大きいところではやっぱり舞台との距離が遠くなってしまうからマイクなしには無理だろうな。750席は良いところだろうな。

 検索すると、http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2009/04/16/03.htmlなんていうニュースが(笑)。「実は私はピカチュウの母親。だから私の髪の毛は黄色いの」?!!!面白すぎます・・・。こんな面白いこと言われても、どう受け答えすればいいのか、分からんよ。面と向かって言われることなんかないから、いいけど。美輪明宏が声優を務めるポケモンの『アルセウスは、命を削ってまで助けた人間に裏切られ、激しい怒りを覚えながら長い眠りにつき「次に目覚めた時には人間に裁きを下す」との思いを抱いている設定』だそうだ。うわぁ、怖い!やっぱり、この人は、人間ではないと思った方が辻褄が合うことが多すぎる。神だ。

 寺山修司の脚本もそうだけど、女装という「嘘」に塗り固められたこの人の演技や言葉はまごうことなき「本物」で、「本物」であるが故に「嘘」が「嘘」でなくなってしまうという奇跡が起きてしまう。魔術としかいいようがない。

 舞台美術も良かったな。ただ、最後に背後にキノコ雲が出てきたり、カーテンコールで狐のお面を被った人が出てきたり、まあ、オマージュといってしまえばオマージュだし、何でもありというのがこの芝居の祝祭性みたいなものにもつながっているんだし、集大成的な舞台なのかもしれないけど、そこまでやるかな的なところも一瞬感じたけど、そこまでやるという覚悟なんだろうな。これが最後とは思いたくないけれど、いつまで出来るか分からないんだし、いつ最後になっても後悔しないという心意気なんだと思う。でも、これやるのは最後かも、って言ってるみたいだけど。