ペンギンに生まれてこなくて良かった

http://wiredvision.jp/news/200902/2009020223.html

コウテイペンギンは「世界でもっとも過酷な子育てをする鳥」と呼ばれる。捕食者から逃れるため、繁殖地は海岸から50km〜100kmほど離れた内陸部。メスは産卵の後に海へ向い、オスはブリザード(地吹雪)が吹き荒れてマイナス60℃になる極寒の冬の氷原上で身を寄せ合い、抱卵を続ける。オスは、繁殖地へ移動した頃から数えると約120日間も絶食状態に置かれ、孵化する頃にはオスの体重は40%以上も減少する。ヒナが生まれても、メスがまだ戻ってきていない場合には、オスは食道から分泌した白色の乳状の物質(ペンギンミルクと呼ばれることがある)を餌としてヒナに与える。メスが海から戻ってくると、メスが胃に蓄えた食物をヒナに与え、オスはやっと海に出て行けるが、遠い海までの道のりで力尽き死んでしまうオスもいる。その後はオスとメスが交替で餌を取り、ヒナたちは群れを形成しながら次第に海岸に移動していく。

 ペンギンって、水族館に飼われている唯一の鳥ではないだろうか。水族館に行くたびに、ぬいぐるみのようにじーっとしているのに、突然水に飛び込みすごい勢いで餌を求めて泳ぐ姿を見ることになるのだが、その奇妙さにただならぬものを常々感じてはいた。でも。こんな過酷な営みをする生きものだったとは・・・。
 ペンギンに生まれたら、絶対海までの道のりで力尽きているな・・・。人間で良かった、としみじみと思ってしまった。