東京JAZZ 2008


 スライ・ストーン、見てしまったー!
http://www.tokyo-jazz.com/index.html

13:00〜 ロベン・フォード
14:10〜 サム・ムーア
15:30〜 スライ & ザ・ファミリー・ストーン

 ロベン・フォードはパス。遅れたので、トイレ行って煙草吸ってビール飲んでた。スライのTシャツとかあったら買おうかと思っていたけど、なんか地味な「東京JAZZ」のTシャツばかりでがっかり。空気読め、主催者。
 サム・ムーアは相変わらず元気、コーラス4人、ホーン4人とやたら豪華。相変わらず、声も出てる。さすがに動き回れない分、人数多いのでにぎやかな感じ。サルっぽい顔がいっぱいプリントされたTシャツが妙に気になった。最後の「ソウルマン」まで1時間一気。カッコ良かった。イカすぜ、じいちゃん。
 さて、いよいよSly & the Family Stoneなのだけど、横のモニターにNext Performance, Sly & the Family Stoneと出ても、まだほんとに出てくるのか信じられない。ステージのセッティングのスタッフが引っ込み始めると、もう手拍子が始まる。電気が落ちて、メンバーが出てくると、もうみんな総立ちですごい盛り上がり。でも、まだ半信半疑。スライがいない(笑)。そのまま2曲("Dance To The Music","Everyday People")やって、「そうか、やっぱりスライはこのまま出てこないのかもな、そうだ、そうに決まってる」と、妙に安心したところで、左手から、なんかきらきらした物体が!ぎゃー!あわわわわ。スライです。Sly Stoneだ!ぎゃー!
 キーボードに向かって坐って、もごもご、ボコーダーで"Don't call me nigger, whitney"を歌い始める。ああ、そうか、これでお茶濁す気か、そうか、そうか。そりゃそうだ、良かった、良かった。椅子に坐ったまま、ぐるんぐるん回って、なんか指図しながら遊んでる、おお、そうか、やっぱり変な爺だ。でも、出てくると、やっぱりバンドも、なんかこの爺に合わせるようで、なんか、空気が変わる。やっぱり、オーラがうわーと出てる。
 うわ、来た、Family Affair!!!うわ、ちゃんと歌いだした!もごもごしゃべってるだけみたいなのに、なんだ、このカッコ良さ!!!うわー、うわー、うわー!!!あれ、立った!やろうと思えば、ちゃんと歩いて、歌えるのか?!なんだ、なんだ、なんだ???
 みたいな感じだった訳です。東京国際フォーラムの屋台で沖縄弁当(高菜チャンプルー、ラフテータコライス)とハイネッケンで早めの夕御飯食べて、コーヒー飲みながら書いてますが、まだ信じられんなあ。最後の1曲前で引っ込んで、アンコールにも出てこなかったので、妙に安心したのだけど、なんだったのだろう、あれは。1時間くらいのステージだったけど、異様な感じだった。スライが引っ込むと、バンドも急にのびのびしだすんだよなあ。やっぱり怖いなあ、妖怪だ、あのジジイは。
 生でStand!聞けるなんて、思っていなかったんもんなあ。アレンジもかなり今っぽい感じになっていたと思う。メンバーもホーン以外はかなり若い。さすがに強力なメンバー集めたバンドだったと思う。6弦ベースが凄かった。ドラムはちょっと軽めだったかなあ。でも、もっと大音響で聞きたかったし、こんなお上品なとこじゃなければもっと良かった。でも、まあ、見ただけで満足だけど。現役感はなかったけど、それでも、あの本物のやばさは失われてはいない。やばい。本当にあのジジイはやばい。
 本当に来るのか?演奏するのか?何分ステージにいるのか?そういう疑心暗鬼に反して、随分真面目にやったのではないか。40分くらいは見たと思うぞ。それ以上期待するのが間違い。生で本物を見るということの興奮を久しぶりに味わったことは確かだ。上野動物園でパンダを見たとき以来かもしれない。
 思ったよりも、大きかったような気がする。それになんと言っても、あの訳の分からない髪形。床屋で途中で出てきてしまったのではないか。ところどころ赤く染めてたのか、あれは?ぐるぐるぐるぐると人を馬鹿にするかのように椅子を回しながら、演奏するのか、しないのか、やる気があるのか、ないのか、何しに出てきたのか、何で2曲目で出てきて、なぜあそこで引っ込んだのか。どうも、きちんとした事前の決め事など無い風で、気が向いたから出てくる、気が向いたから歌う、気が向いたら演奏する、気分が乗らないから途中でやめる、歌詞を忘れたから歌うのやめる、飽きたから帰る。まるで学級崩壊の子供だ(笑)。いや、学級崩壊の子供なら、まだ理解できるかもしれない。何を考えているのか、まったく分かる気がしない。あれはアフリカの奥地に住まう精霊の類だと考えるしかないのではないか。一生懸命村のものが音楽を演奏すると、神様がやってきて、ひとしきりお祭りに顔を出してくれるが、そのうちにぷいっといなくなってしまう。そう考えたら、やっと腑に落ちた気がした。やっぱり、スライは神なのだ。
 BSでこれ9月末に放送するらしい。
セットリスト

1. Dance To The Music
2. Everyday People
3. Don't Call Me A Nigger, Whitey
4. Family Affair
5. Sing A Simple Song
6. Stand
7. If You Want Me To Stay
8. I Want To Take You Higher
9. Thank You
10. Thank You For Talkin' To Me, Africa
アンコール I Want To Take You Higher

スライは3−8まで。

WELCOME STAGE(ホールA内 2Fロビー) 18:15〜 アリスター・スペンス・トリオ
19:00〜 ジョージ・ベンソン
20:20〜 フォープレイボブ・ジェームス、ネーザン・イースト、ラリー・カールトンハーヴィー・メイソン
21:30〜 東京JAZZ SUPER JAM featuring フォープレイ and デヴィッド・サンボーン

 何となく惰性で見ることにしてしまったのだけど、ジョージ・ベンソン、良かった。それにしても、この人も太ったな。でも、目つきとか、なんか妙に一々色気がある。大熱演だった。純粋にパフォーマンス的には、今日のベストパフォーマーでは。
 次のフォープレイ、まあ、一応ジャズフェスティバルなのだけど、やっとジャズっぽいのが。ハーヴィー・メイソンのドラムがとにかく華やかで良かった。交互にソロを取るようなジャズなんて退屈で普段聞く気しないけど、あのドラムで救われたような気が。ラリー・カールトンもはげおやじになってたので驚いた。ネーザン・イーストも6弦ベースで、仲よく弦楽器2人は、白ハゲ黒ハゲ。なんのかんのいっても、うまいやつにしてみると、こういうのはやっぱりやってる方は楽しいんだろうな。
 最後は、サム・ムーアまで出てきて、ジャコパスの曲だというカモンとか、何とかいうのをやった。じいちゃん、まだ起きてたか。
 入り口に、サム・ムーア宛にソウルシスター、アキコ・ワダから花が届いてた。