イスラームとは何か―その宗教・社会・文化 (講談社現代新書): 小杉 泰

イスラームとは何か〜その宗教・社会・文化 (講談社現代新書)

イスラームとは何か〜その宗教・社会・文化 (講談社現代新書)

 面白くて、結構サクサク読めた。考えてみると、生まれてこの方、イスラム教徒の知り合いとか友達って、元教徒含めても、2,3人くらいしかいないんだよなあ。世界第2位の宗教だというのに。日本人は最大に見積もっても、5万人に届かないそうだけど。
 とにかく、スンナ派シーア派の区別というのがやっと朧気にでもつくようになった。1割くらいの過激なのが、シーア派。9割の穏健なのがスンナ派。乱暴にいえば、こんなところだ。
 歴史的に最初のムハンマドの啓示のあたりから現代の状況まで書いてあるので、まあ、一通りはざっと舐めることが出来た。こうして、イスラムの立場から見れば、イスラムの立場の歴史がある。当たり前だけど、えてして忘れがち。
 イスラームの一夫多妻というのは、戦争で男はバンバン死んじゃうんで、寡婦の面倒を誰かがみなければならない、というあたりから来ているらしい。そういうところ、すごく現実的で合理的なんだけど、議論始めるとキリがなかったり、非現実的にいい加減だったり。と、外から見えるのも、外にいるからで、中にいると、こういうのは当たり前とか、疑いを持つ以前の前提の話だったりするんだろうな。でも、やっぱりそういうところは一杯あるので、B型的な宗教なのかもなあ。