「3月のライオン(1)」:羽海野 チカ

3月のライオン (1) (ヤングアニマルコミックス)

3月のライオン (1) (ヤングアニマルコミックス)

 「ハチクロ」の次は、何と将棋マンガですか?!「ハチワンダイバー」と張り合いますか、そうですか。
 相変わらずのポップ風・ぎっしりの書き込みだなあ。このかわいい絵で青年誌で連載というのが意外だなあ。でも、マンガは単行本で読む時代だから、ファン層が広がっていいかも。
 この人の世界は、いつもなんでこんなに温かいんだろう。ちゃんと地面に根を張ったような人間と人間の関係みたいなものがあるような気がする。そう、「ちゃんとした」もの。うまく言えないけれど。下町的ということだろうか。本物の平凡な幸せ。
 このお姉ちゃんも銀座のホステスみたいだけど、そういうステレオタイプ的な書き方が全然なくて、え、え、え、そうだっけ?みたいな。きっと、このおねえさんを少年棋士が好きになってしまって、ライバルが糖尿病でひどいことになったり、つらいことがいっぱい起こったりするのかなあ。なんでこんなことになるんだよお!みたいな。
 そういう本物の平凡な幸せと、ありがちな酷い不幸みたいなものみたいなものが、この人のテーマなのかなあ。そういう家族ドラマって、昔は良くあって、人気番組だったような気がする。そういうポジションを今マンガで作ろうとしているということなのかなあ。
 一生懸命選んだ長女の洋服のスクリーントーンが、よつばのとうちゃんのパンツと同じ柄だった、という楽屋落ち、笑った。