レッド(1): 山本 直樹

レッド(1) (KCデラックス)

　連合赤軍事件を題材にした山本直樹のマンガ。名前は全部変えられているし、「■■■山荘」なんて伏せ字になっていても誰でもわかる。こうして実名や固有名詞だけは明示されないのに、この後一連の事件の中で死ぬ人間には頭の横に死ぬ順番が丸数字で①，②，③、‥‥、と付けられている。そして最初から繰り返し繰り返し、

谷川　このとき２３歳
長野県の■■■山荘で
逮捕されるまであと７９４日
死刑確定まであと８４５６日

といったト書きが入る。何とも不気味なのだが、淡々とした絵とストーリー運び。これから、どんどんエグイ話になっていくんだろうな。。。これからどうなるのか全部わかっている話をどう書くのか。
　まだ存命中の人も多いし、実名を出すのを控えたと言うことなんだろうか。実録ものになっちゃうのが嫌だと言うことなんだろうか。まあ、みんな知っている話だから、隠しても意味ないし、知らない若い子にしてみれば、固有名詞なんて意味ないんだが。とにかく、書いてしまうから、と腹が据わっているのが感じられる。
　山本直樹は1960年生まれだから、この頃１０歳くらいか。これ、完結というところまで行き着けるのかな？未完になりそうな予感がするな。