イタリア映画祭(6)「わが人生最良の敵」、「ヴィットリオ広場のオーケストラ」

イタリア映画祭2007 公式ホームページ

「わが人生最良の敵」
(2006年/115分) 監督:カルロ・ヴェルドーネ
Il mio miglior nemico (Carlo Verdone)

母親がホテルに解雇され怒った若者が、復讐のため支配人の浮気現場の証拠写真を手に入れたことを発端に、壮絶なバトルが始まる。

 こういう喜劇をやらせると、何でこんなにイタリア人うまいんだろう。それでいて、ちゃんとお話になってるんだよな。この二人が出ていた去年の「イタリア式恋愛マニュアル」も面白かったけど、これも面白い。
 義兄が部屋に入ってくるとこ、あれ、気づかないわけないだろ〜。無理ありすぎで、腹が痛かった。「俺の目を見ろ、目をそらすな」って、それも限界あるって〜。

「ヴィットリオ広場のオーケストラ」
(2006年/90分) 監督:アゴティーノ・フェッレンテ
L'orchestra di Piazza Vittorio (Agostino Ferrente)

中東やアジアからの移民の多いローマのヴィットリオ広場の映画館「チネマ・アポロ」がつぶれた後、その再開運動の中で、その広場にふさわしい移民を中心にしたオーケストラを作ろうと思いついた者たちがいた。メンバー探しから練習、そして市の助成金を得て公演に至るまで2001年から2006年までの6年間カメラを回し続けたドキュメンタリー。

 やっぱりドキュメンタリーって面白い。音楽自体はどうなのか、意外に音楽をじっくり聞かせるのが初舞台くらいで、何とも言えないとこはあるけど。
 インド、中東、アフリカ、中南米と全然違う音楽の音楽家が一つのオーケストラとして演奏するというだけでも、奇跡のような話だ。音楽的にはリズムも調律もばらばらだから、そのままでは相いれない筈だし、音楽のスタイルも融合した一つの音というより、交互にソロをとるような形だし。でも、一からこんなことを始めるという行動力と、その過程がやっぱり見ていてもわくわくする。サイト探して、ネットで聞いてみよう。
"L'orchestra di Piazza Vittorio:公式HP(イタリア語)"
"MySpaceのサイト"
 でも、親戚を半ダースも次々と送り込んでくる、って、さすがインド人(笑)。そりゃ、こういうつてがあったら、絶対やるだろうなあ。インド人は真面目で根は良い人ばかりなんだけど、あの強引な交渉力は死んでも勝てないんだよな。交渉というのは、絶対あきらめずに最後までしつこく粘った奴が勝つゲームだということを熟知しているから、絶対折れないんだよなあ。文句多いし。自分があのバンドマスターだったら、絶対インド人だけは入れたくないと思う。