イタリア映画祭(3)「それでも生きる子供たちへ」

それでも生きる子供たちへ
(2005年/130分) オムニバス作品
All the invisible children (omnibus, Stefano Veneruso etc.)
カティア・ルンド / ブラジル
ジョーダン・スコット&リドリー・スコット / イギリス
スパイク・リー / アメリ
エミール・クストリッツァ / セルビア・モンテネグロ
メディ・カレフ / アフリカ
ステファノ・ヴィネルッソ / イタリア
ジョン・ウー / 中国

http://kodomo.gyao.jp/

 7話からなるオムニバス形式で、世界の各地を舞台に過酷な状況下で生きる子供たちの姿を描いた映画。
 アフリカの少年たちは内戦の恨みを抱えて機関銃を抱えてゲリラになるのだし、アメリカの少女はイラク帰還兵の無職でジャンキーの父親と母親からHIV感染しているし、中国の捨て子でびっこの少女は自分を拾って育ててくれた老人を事故で失ってしまうし、ナポリの悪餓鬼は母親が男と喧嘩が絶えず家に帰ることもできないし、アメリカの戦争カメラマンは戦場のことを考えると心身に変調をきたしてしまいあの子供たちのために自分は何もできはしないという無力感にとらわれるのだし、ブラジルのスラム街の子供たちは時にはだまされたりトラブルにあいながらも高層ビルや高速道路のすぐわきでくず拾いに朝から晩まで熱中するのだし、セルビア・モンテネグロの少年は良い子にしていなければいけないシャバよりも少年院の中の方が楽しそうだ。
 ひどい話ばかりだけど、みんな明るくて楽しそうだ。決して、見ていて気が重くなるような映画ではない(ならなきゃいけないんだろうけど)。それが救いというか、救われちゃいけないというか。子供だって頑張ってるんだから、とむしろ思わされる。良かった。