イタリア映画祭(1)開会式―「新世界」

イタリア映画祭2007 公式ホームページ
 半年ぶりくらいで朝日ホールにいったら、完全禁煙になっていて、参った。ついに、ここもか。。。この季節暗いところに閉じこもっていないで、本物のイタリア行きたいなあ、と、思い続けて、もう何年になることか。今年もまた、この季節が来てしまった。早くからちゃんと準備すればいいのだけれど。もう観念して今年はパスポート券を買ってしまった。今週はせっせと通います。
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 上映前にロビーで、協賛のメーカーのエスプレッソマシーンの試飲をしていた。行列が長くて途中で諦めちゃったけれど。

 開会式はゲストが全員そろうのが毎年楽しみなのだけれど、今年は女優さん一人。大体、すごく若い新人といって良いような女優さんとベテランの女優さんが二人くらい来るのだけれど、今年はその中間くらいの若手の女優さん一人。がっかりしていると、超ベテランという感じのおばはんが。何だ、と思ったら来日中のイタリアの家庭問題担当大臣(どういう大臣なんだ?)だった。今回上映される作品を全部は見ていないが、と前置きして、自分が見た作品いくつかの映画について、一応ちゃんとした紹介とコメントを交えてあいさつしてた。ほんとに見てるのかな?でも、こういう行事でそれらしいコメントちゃんとするもんだねえ、イタリアの大臣。へえ、と思った。

 今日は最後の一本だけ。上映スケジュールをちゃんとチェックしてなかったので、オープニングのマルコ・ベルッキオを見逃すorzショック。

新世界
(2006年/120分) 監督:エマヌエーレ・クリアレーゼ
Nuovomondo (Emanuele Crialese)

 で、その一本目「新世界」。ベネチア映画祭の銀獅子賞。題材的には、なるほど、タヴィアーニ兄弟っぽい。イタリアの貧しい羊飼いの一家がアメリカに移民する話。へえ、こんな風にしてアメリカはできたんだなあ、と思った。
 女性は結婚しないとアメリカに入れて貰えないので、女性の移民は、予め既にアメリカにいる男性との結婚を前提にやってくる。その男性と始めて合うのは移民局で、「あんた幾つよ、恥を知りなさいよ!」と罵倒しつつも、結局ニューヨークまで来てしまっては引き返すこともできず、結婚を承諾してアメリカに入国していくところとか、「鶏と牛の足の本数は合わせて何本?」「2本と4本、何で、こんな事聞かれなきゃなんないんだ、あんたたちは何様なんだ?息子は唖だし、ばあさんは迷信深くていかれてるけど、それが何の迷惑をかけるって言うんだ?」とか、移民ってこういう事だったんだな、と驚いた。まあ、言われてみればそんなものだろうなあとは思うけれど。
イタリアからの移民船に一人紛れ込んでいる謎のイギリス人女性が、シャルロット・ゲーンズブルグ。うわあ、大人になっている!(当たり前)と驚いた。あのフレンチ・ロリータちゃんがなあ(半分イギリス人だけど)。ジェーン・バーキンの方に似て良かったねえ。面白かったし、題材的にも良かったけど、なんか、個人的な評価としては、そこどまりかな。良いんだけど。牛乳風呂みたいな幻想シーンみたいなのが安直というか、冒頭の裸足で石を口にくわえて山を登っていくとこなんか、ステレオタイプ的に狙ってるなぁ、と感じちゃうシーンが所々あって、そこがちょっとのれなかったので、減点。でも、悪くはない。イタリアを出発するところの上へ上へと登っていく移民局かなんかのシーンは良かったし、移民船の人が押し込められた辺りの感じなんかはなかなか。

 うわ、こんなの見つけてしまった。これは危なすぎる雰囲気だろ、いくらなんでも。なんで、このオヤジの種からこの娘ができちゃうんだよ?といえば、母親がジェーン・バーキンだからなんだろうけど、ジェーン・バーキンのDNA強すぎ。ロリコンの趣味は無い積もりだけど、このころのシャルロット・ゲーンズブルグちゃんだけはちょっとくらっと来るなあ。あの幼げな瞳と妙にエロチックな唇、ひょろっと伸びた手足、そして、あの無邪気さとひたむきさ。「小さな泥棒」もう一回見たいなあ。