日本サッカーと「世界基準」: セルジオ越後

日本サッカーと「世界基準」 (祥伝社新書 (046))

日本サッカーと「世界基準」 (祥伝社新書 (046))

 セルジオ越後、って、こんなインパクトのある名前って有り得ないよなあ。セルジオといえば、もうラテンでサンバで、越後といえば、「おぬしもワルよのう、越後屋!」の越後である。そんな名前の人がいても、メキシコ当たりに修行に出たジュニアヘビー級のプロレスラーで、現地では悪役マスクマンとして大活躍していたのだろう、とでも思うしかない。そのよく分からないおじさんがサッカーの試合というと、解説で出てくる。そして、辛口ではあるが、小気味のいい、びしっとしたことを言う。何者なのだ、このオッサンは?と常々思っていたので、読んでみた。
 著者紹介に寄れば、

1945年、ブラジル・サンパウロ市生まれの日系2世。十八歳で名門「コリンチャス」とプロ契約。非凡な個人技と俊足を生かした右ウイングで活躍、ブラジル代表候補にも選ばれる。一九七二年来日、藤和サッカー部(現・湘南ベルマーレ)で日本のサッカーファンを魅了。来日当時から『さわやかサッカー教室』で全国の青少年を指導、野辺50万人を超える人々に楽しさを伝える。

なのだそうだ。
 全くその通り、としか言いようのない正論をこの本でも堂々と語っている。本当にその通りだと思う。言うべきことが言えない社会、日本。言わなきゃ負けるのに、それを言うと疎んじられる。だったら、言っちゃえばいいじゃん、どうせ、言わなきゃ負けちゃうんだから。という気持ちが最近している。何だか、この本読んでたら、元気が出た。
 されど、ある意味、2ちゃんねるで言っていることのほうがまともで、そこでしか本当の話がなかったりする、という世の中も、あまりになんだといえばなんだよなあ。

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