兵馬俑に扮したドイツ人学生、警備員も思わず苦笑い

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060919-00000956-reu-ent

 中国の西安で16日午後、世界遺産に登録されている兵馬俑(へいばよう)の1兵士に扮して、一時的に警察の御用となったドイツ人の美術学生、パブロ・ウェンデルさんの写真が公開された。軍服姿も様になっており、警備担当者らも思わず苦笑いしている様子。
 ウェンデルさんは16日、約2000体の兵馬俑が保管されているくぼみに侵入し、自作の軍服を着用して持参した台に直立。警察に見つかるまでの数分間、まばたきもせず、そのままじっと立っていたと中国の新華社が報じていた。

 これって、コスプレでは?誰も見つけてくれなかったら、どうするつもりだったのか(笑)。ドイツから何しに行ったんだよ〜。もう、こうなったら、世界中のいたるところでこれをシリーズして欲しい。日本でも、三十三間堂辺りで仏像になって欲しい。アメリカなら、インディアン居住区でトーテムポールか。パリならノートルダム寺院ガーゴイルか。
 人間が彫刻や像の真似をするっていう発想が面白いよな。元々は人間の姿を再現するために作られた彫刻も、人目にさらされるうちに、それがなにがしかの意味やイメージとして人々に了解され、それ自身が何かのシンボルとして流通し始める。それを簡単に「芸術」というのかもしれない。そのイメージのオリジナルであったはずの肉体を持って、再度模倣を繰り返そうというのは、イメージや表象ではないし、それ自体が何かを表現している訳でもない。表象に奪われた意味を肉体に取り戻そうという試みとも言えるかもしれないが、それはもはや無意味に決まっている。この行為は、「意味を失った肉体」である我々の悲劇と喜劇を体現しているのではないだろうか。それがこのファルスの主題ではないだろうか。
 でも、可笑しい。腹が痛い。あ、これ、「黒蜥蜴」の三島由紀夫みたいじゃん、がはがはがは(一人で受けてます)。