「冒険投資家ジム・ロジャーズ世界大発見」(1)

冒険投資家ジム・ロジャーズ世界大発見 (日経ビジネス人文庫)

冒険投資家ジム・ロジャーズ世界大発見 (日経ビジネス人文庫)

 読み出すと、無茶苦茶おもしろいのだが、あんまり進まない。最近、本を読む気がしないのだ。通勤時間も、ついつい、PSPでビデオを見るとか、W-ZERO3でネットに走ってしまう。
 前回のバイクとは違う若い女を連れて世界一周している癖に、前回にも会った地元の金持ちが別の若い女を連れていると、自分の力を誇示したいんだろう、とか言っているのには苦笑。されど、好き嫌いとか価値観は別にして投資対象として見る目の厳しさと勘の鋭さは、さすがに唸らされる。
 撮り貯めたCBSドキュメントをPSPで見ていたら、中国では超音波検査機で男女の性別を判別して、女の子だと堕胎してしまうので、男女の人口比が崩れている、というレポートをしていた。彼はこの本の中で韓国に於ける同様の問題を指摘している。地域にもよるが、これで2割くらいは男の方が多くなる。戦争でもしないと、これはバランスが崩れてとんでもないことになる。中国の場合、一人っ子政策の影響もあるので、もっと酷いかもしれない。女の子だと分かると、堕ろしてしまうケースが15%くらいあると言うことだ。
 アメリカ人の見方だな、と思うところも多々あるが、それはそれで説得力がある。論理的に考えるというのは、客観的な事実の積み重ねで一つ一つ論を進めていくということで、そこに先入観や思いこみが入ってしまえば、それは誤った結論にしか辿り着けない。論理的に考えるには、まず自分がこうあって欲しいという思いこみや思い入れを一度脇に置かねば、論理的に考えることはできない。それが出来るだけの強さが、さすがにこの人にはある。ジョージ・ソロスとQuantum Fundを立ち上げただけのことはある。多分、それは薄情さとか残酷さと呼ばれもするのだろうけれど。
 37歳で引退して、その後はこうして世界旅行しながら、余裕しゃくしゃくで投資かあ。そういう余裕があると、またその投資が成功するんだろうなあ。この本は2000年前後の旅行の話だけれど、確かに言っていることは当たっている。実際その場で見ているから、強いのだ。