イタリア映画祭2006@有楽町・朝日ホール(2)

イタリア映画祭2006 公式ホームページ
2日目。4本ちゃんと全部見たら、疲れた。午後は所々意識を失っていたような気が。。。入退場手間取ると、弁当持っていっても食ってる暇と場所無いぞ、( ゚Д゚)ゴルァ!!!

10:30 k 「自画像」 A 「見つめる女」
「見つめる女」
La spettatrice (Paolo Franchi)
2004年/98分/監督:パオロ・フランキ
主演:バルボラ・ボブローヴァ

http://www.asahi.com/event/it06/works.html#a
 これって、……。イタリア版「NANA」じゃん。大学出たいい若い女の子が、話したこともない隣の窓から見える40の男(独身)好きになって、ミラノから家出同然でローマに行っちゃって、バーでバイトしてそこの店員とはセフレになっちゃうし、40男の愛人の法学部教授の車に当たり屋しちゃって、それをきっかけにタイピストになって男ともついに知り合いになって、教授と40男が破局したら、40男が今度は迫ってきて、逆に待ち伏せされてしまってる姿見て(=昨日の私)、「私、何やってるんだろう?」って、……。「NANA」の世界だよな、これ。
 舞台挨拶のバルボラちゃん、無茶苦茶かわいくて、スタイルも人間ではなかったけど、映画の中のメイクがやっぱり中嶋美嘉みたいなパンダメイクなんだよね。『私@20代前半って、何をすればいいのか分からないし、寂しくて、頼る人が欲しいから、ついつい……。でも、私、つけ込まれるの怖いから、強く見せようと思うので、パンダメイクしちゃうの』って、万国共通なんだろうな、結局。批判する人はいるんだろうけど、この映画に共感する人には、そう言う批判って、どうでもいい届かない批判なんだろうな。なんか、半分遠い目だけど、気持ちはなんとなく分かるような気もする。でも、イタリアだから、バルボラちゃんかわいいから、おじさん許しちゃうぞ。撮影がジュゼッペ・ランチの「NANA」か。


上:バルボラ・ボブローヴァたん、萌え〜!!!僕をストーカーして下さい。
下:アンドレア・レンツィ氏とバルボラ・ボブローヴァたん

13:15 l 「リトル・ボーイ」 H 「恋愛マニュアル」
「恋愛マニュアル」
Manuale d’amore (Giovanni Veronesi)
2005年/110分/監督:ジョヴァンニ・ヴェロネージ

http://www.asahi.com/event/it06/works.html#h
 4話のオムニバス。最初から最高まで爆笑。第1話「恋」は、プーな23歳が彼女をものにするまでの話。間合いやテンポが絶妙。第2話「危機」は中年夫婦の危機なんだけど、奥さんの大虎っぷり、のけぞります。第3話は「浮気」で、婦警さんの暴走が最高です。第4話は「別離」、小児科さんが別離を乗り越えようとじたばたもがき苦しむ話。
 イタリア喜劇はお下劣なシモネタも多いけど、あっけらかんと豪快にやってくれるので、後を引かないと言うか唖然とすると言うか、ありのままの人間を描いてみせるという点では、むしろ感動的だったりする。これはお薦め。

ディーノ・アッブレーシャ氏

16:10 h 「サンテンハチジュウナナ」 F 「哀しみの日々」 「哀しみの日々」
I giorni dell’abbandono (Roberto Faenza)
2005年/96分/監督:ロベルト・ファエンツァ

http://www.asahi.com/event/it06/works.html#f
 塩野七生女史推薦の1本。 これは濃い。前の映画みたいに洒落にならないところまで、吠え、殴り、飲み、暴れまくる。イタリアのオバはん連中は、これを見に行って、「そう言えば、知ってる?あそこの奥さん、……」と盛り上がるんだろうなあ。子供は殴るし、夫は罵り、下の階の旦那は押し倒し、親には酔って悪態をつきまくり、捨てられた奥さんが暴れまくります。イタリアのオバハンは、これ見て、『そうだ、そこだ、もっと行け!』と盛り上がるんだろうか?肉食人類って、怖いな〜!
 日本でも怒鳴り芝居はあるし、フランスのイザベル・アジャーニみたいな絶叫大好き女優もいるけど、やっぱり、イタリア女が人類最強かも。何せ、堂々としているし、口が減らない。罵倒というのも文化なんだなあ、ということを学ばせてくれる映画だった。

18:45 e 「グアラチーノ」 G 「二度目の結婚」
「二度目の結婚」
La seconda notte di nozze (Pupi Avati)
2005年/103分/監督:プーピ・アヴァーティ

http://www.asahi.com/event/it06/works.html#g
 これは、ピカレスクな悪党とか人物描写のグロテスクさがすごく際だってる。なんだか、ニュー・ジャーマン・シネマというよりも、ラテンアメリカっぽい。とはいえど、ブニュエルの域までいっているわけでもないので、その辺の中途半端さはニュー・ジャーマン・シネマっぽい。あの知恵遅れのおじさんの寛容さに感動するなんて真っ平御免なので、後味の悪さだけが残り、消耗した。フィルムの色彩が昔のテクニカラーみたいな色合い出していて、ちょっとイイ感じだったんだけど。