「忍者武芸帳」

忍者武芸帳 (1967) 132 分
製作国 日本
公開情報 ATG
初公開年月 1967/02/15
監督: 大島渚
声優:小沢昭一山本圭小山明子佐藤慶松本典子福田善之露口茂渡辺文雄

http://www.gyao.jp/cinema/ooshima/
 実際に見てみるとどうなんだろう、最後まで見れるかな?と思ったけど、結局見ちゃったよ。大島渚と言うより、これは白土三平。でも、パンなんかしてて、意外に手間はかかってるよ。紙芝居という割には、それなりの手間かけてるし、声優の役者さんがしっかりしていること、なにより、白土三平の絵がアップに耐えるしっかりしたデッサンの絵であることもあって、こういう形で見るのがそんなに苦痛にならなかった。漫画で読むと、むしろここまでじっくり絵を見ない。漫画の気持ちよさって、自分のペースでガンガン先を争うように読むことにもあるんだけど、それは腹が減っているからガツガツ食うみたいなもので、意外と細かいところまで見ない。こういう映画という形で、強制的に決められたペースで見る場合、そこの編集が自分のバイオリズムとどれだけ合うか?というのが勝負。電子ブックのC'moaリーダーなんかよりは、ずっと良いかなという感じ。朗読というのもそうだけど、自分のペースで主体的に読む本という表現形式、それから音楽や映画のような時間という次元を持つ表現形式、この違いを実感するというためにも、一度これは経験しておいても損はないんじゃないかなあ。
 あの脚絆できゅっと足首が締まって、逆三角形の忍者のスタイルとか格好いいなあ。決して、書き込みが激しい絵じゃないんだけど、絵が良いんだよなあ。手塚治虫と劇画の中間の絵というか、なんというか。カッコイイですよ、これは。
 それはともかく、PCの画面で2時間見ると首が凝るよ。TVとして見ることができるくらいの大型モニター欲しいなあ。でも、それならPC繋げられる液晶テレビの方が良いかもしれないなあ。
 この一方で山田風太郎の忍法ものも、ほぼ同時期にあった訳でしょう。両方とも学生運動の盛んな時期に反権力的な時代背景の中で書かれていた訳で、大島渚は当然それを意識してこれもやっていると思うんだけど。漫画と小説というの無視して比べると、やっぱり、山田風太郎の方がニヒルでエロ。白土三平の方が真面目なのかなあ、と言う気がする。どっちもグロはある訳だけど。