『薔薇の葬列』
- 出版社/メーカー: エスピーオー
- 発売日: 2004/02/27
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当時にしてみれば、もっとおどろおどろしく思えたのかもしれないけど、今見ると、実験映画的なつもりでやっていたようなことを、結構普通に見ることができてしまう。半ば、こけおどしに見えないでもない。パゾリーニって、この文脈の中では最強の見せ物屋だったのだなあ、ということはよく分かった。
ゴダール風の字幕、パゾリーニ風の目つぶし、サイレント映画風の殺陣(?)シーン(これはやっぱり可笑しい)、循環構造のシナリオ仕立て、道具立てとしては、凄くアマチュアっぽい。それにしても、ピーターのあのつけまつげ凄いな。重そう。
でも、全体通してみて、今にしてみると面白いのはやっぱり当時の風俗とゲイボーイ。映画自体は、あざといところだけが目につく。でも、それだって「性同一性障害」なんて言葉を作って、科学的な装いで病気にしてしまおうという今の世の中・社会の姿なきシステムを装った不寛容に比べれば100倍マシなんだけれど。ホモはホモ、ゲイはゲイ、おかまはおかまで良いんじゃないの?と思う。