『ミリオンダラー・ベイビー』

公式サイト:ミリオンダラーのベイビーは純粋な気性 – ミリオンダラーのベイビーは純粋な気性
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原題:MILLION DOLLAR BABY
上映時間:133分
PG-12
■ 監督/製作/音楽:クリント・イーストウッド
ヒラリー・スワンク
モーガン・フリーマン

 やっと見た。無茶苦茶重かった。でも、良かった。一言では言えないけど。それは、話そうとすると、すごく難しい。
 「自分を守れ」というその自分、自分の人生にどれだけの値打ちがあるのか?守るべきものが守るに値するべきものであるには、それを失うリスクを犯さねばならない。リスクを犯すなら、それは本当に失うことにもなる。でも、負けてもそこで人生は終わらない。その負けた後の人生を延々とリスクを避けながら、リスクが求められる世界で生きてきた男。失うものなど何もない32歳の女が、やっと手に入れた失うもの。全身を動かせなくても、まだ戦い守ろうとするもの。
 呼吸維持装置を外すシーンがやっぱりいい。法や宗教が本来守るべきものも、法や宗教が制度である以上、それを法や宗教が許さないという矛盾が生じる。そのとき、守るべきものを守れるか?
 クリント・イーストウッドも本当に年をとったなあ、と思うけれど、なんだかここ数年毎年テーマは大胆になってくるし、作品の緊張感も高くなってくるみたいだ。ヒラリー・スワンクも素晴らしい。やっぱり、これはボクシングのシーンが様になっていないと、全然盛り上がらないのだけれど、これは盛り上がるとか盛り上がらないなんて次元以上の迫力。スポーツ物は、やはり、どれだけ自分の汗を流すかが勝負。モーガン・フリーマンも最高の演技。右手は拳のままリングに上がるところなんか、やってくれる!という感じ。