オペレッタ狸御殿:鈴木清順監督

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 概ね期待通りかな。「ピストルオペラ」とか、こういう軽い明るいノリが遺作というのって格好良くない?というか、これで最後かもしれないから、と開き直ったやりたい放題感が気持ちよい。こういうことやっている限り、絶対100歳以上まで鈴木清順木村威夫は生きると思う。これで最後だから、というので後15年くらい行けるのではないか?
 まず、狸御殿の御姫様が言えない訳があって唐からやってきた、というのがもうデタラメ(笑)。これは、やはり、清順好みの清純派というと、大正ロマンの人だから、本当に清純な人でないと嫌なはずで(色っぽい人と言うことであれば、大谷直子にまで行ってしまうのに)、しかもオペレッタだから歌って踊れないといけない(本当はそんなことないはずだが)ということで、チャン・ツイイーなのだと思う。やはり、今の日本の女優さんでそういうお眼鏡にかなう人がなかなかいないんでは。何となく、仲間由紀恵という気もしたが、流石に出て貰えないでしょう。でも、結果的に大正解では。良く出て貰えたものだと思う。細かいところまで分かっているかどうか分からないけど、とにかく一生懸命やってもらうには、日本語分からないくらいでちょうど良いのでは。日本人だったら、もっと悩むと思う。これで味を占めると、また外国人女優が次回作でも起用されそうな気がする。
 オダギリ・ジョーさんは、なよっとした二枚目、という優男の感じが出ていて良かったんでは。やっぱり、これは、甘甘、大甘のお話なので、なよっと優しそうなのがポイントだから。HPのインタビュー、「監督が一番狸だったのでは?」って、君、うまいこと言い過ぎ(笑)。どうせなら、狸爺やの役作って自分で出れば良かったのに。
 大甘なので、お萩、腰元狸s(もなか、きなこ、すあま、かのこ)というのは、笑った。お萩もおはぎだとは気づかなかった。最後の方で、役名連呼があって始めて気づいたけど、きなこだけちょっとずれてない?薬師丸様、眉剃られるとマジ怖い。でも、美声は健在。歌は一番良かったなあ。狸顔だし。15年前に主役で取ってあげれば良かったのに。でも、15年前じゃ、撮れなかっただろうねえ…。
 平幹二郎、由貴さおり、はゲイ、じゃないや(そうだけど)、芸をしっかり見せて締めてくれていたので、良かった。脇役がこれだけ固められていると、安心感がある。娯楽作なので、脇役がしっかりしてないと危なっかしくなるので、良かった。何せ、歌える人たちなので、笑わせるところをしっかり笑わせてくれる。
 美術のCG合成、「ピストル・オペラ」より踏み込んで使っている。遠近法が完全に無視されたCGなので、目眩感が凄くあって面白い。水墨画がテーマだそうだけど、それだけじゃなくて、絢爛豪華だ。でも、日本画って、そもそも遠近法なんか関係ないよな。これって、実は正統な日本画だと思う。書きたいように書く。それがジャパニーズ・ペインティングでは?
 丸の内ピカデリー2は、狸ギターとか展示してあってちょっと嬉しかった。ここで見て良かった感。でも、来週から「ミリオンダラー・ベイビー」なんだよね。まあ、ここで掛けてもらえるだけでも、凄いんだけど。サントラ欲しくなってきたなあ。「推定100歳のびるぜん婆」とか、耳に妙に残る。それから薬師丸様とツイイー様の歌声癒されそう。