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- 今週のお勉強:
- 作者: マイケル・E.ポーター,Michael E. Porter,竹内弘高
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 1999/06/01
- メディア: 単行本
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- 第1章 競争要因が戦略を決める
- 有力な競争要因
- 新規参入の脅威
- 六つの参入障壁:(1)規模の経済、(2)製品の差別化、(3)資金の必要性、(4)規模に関係のないコスト面での不利、(5)流通チャネルへのアクセス、(6)政府の政策
- 強力な供給業者と買い手
- 代替製品
- 業界内のポジション争い
- 戦略の策定
- (1)ポジショニング、(2)バランスを動かす、(3)業界の変化を利用する
- 有力な競争要因
- 第2章 戦略とは何か
- オペレーションの効率化は戦略ではない
- 戦略の基礎は独自の活動
- 維持可能な戦略ポジショニングの確立にはトレードオフが必須
- 競争優位とその維持可能性を決定するのはフィット
- ”戦略とは、活動を結びつけることなのである。”
- ”フィットこそ競争の中核なのである。”
- 三つのフィット:(1)各活動(機能)どうし、また全体的戦略との間の基本的一貫性、(2)各活動間の相互補強、(3)取り組みの最適化
- フィットと維持可能性
- 戦略の再発見
- ”戦略にとってもっと大きな脅威は内部から発生する場合が多い。”
- 選択の失敗
- ”オペレーション効率改善の競争に没頭し、多くのマネージャーは戦略を持つことの必要性を理解していない。”
- 成長という罠
- ”成長を求めるために妥協したり一貫性を失ってしまうと、本来の製品種類やターゲット顧客に関して持っていた競争優位が消えてしまう。”
- 利益を伴う成長
- ”実際、成長という命題は戦略にとっては非常に危険である。”
- リーダーシップの役割
- コラム1 戦略を持たない日本企業
- コラム2 新たなポジションの発見:起業家的な優位
- コラム3 基本戦略との関連性
- 第3章 情報をいかに競争優位につなげるか
- 第4章 衰退産業における終盤戦略
- 撤退障壁:(1)耐久性のある特化した資産、(2)撤退コストの高さ、(3)戦略上の配慮、(4)情報のギャップ、(5)経営陣の抵抗、(6)社会的な障壁、(7)資産の処分
- 衰退産業に置ける戦略:(1)リーダーシップ戦略、(2)ニッチ戦略、(3)収穫戦略、(4)早期撤退戦略
- 「詰み」を逃れるには:(1)衰退の明確な認識、(2)消耗戦の回避、(3)明確な強み無しに収穫戦略をとらない、(4)衰退を潜在的なチャンスと捉えている
- 第5章 競争優位から企業戦略へ
惑わされずに、堂々と正論を打つ処が、この人が天才とまで言われる所以だと思う。ただ、競争戦略という視点に偏りすぎていると、誰もが思うのではないか。学者である以上、理論を語らねばならない。しかし、起業や多角化は、理論ではなくて、幸運やケースバイケースのアイディアの領域であると考えれば、学問的に論じることに意味がある対象は、競争理論に尽きる、という気もする。それは、学者の限界、とも言いたくなるが、”成長という命題は戦略にとっては非常に危険である。”と言いきれるコンサルタントなどどこにもいないのだから、学者の可能性がここにはある。
成長を求めて、複数の製品体系や多角化を行っても、そうそう利益が上がるものではない。何でもやるというのは戦略ではない。何を犠牲にして、どこを取りに行くか?戦略とはトレードオフだ。と、言うのが彼の主張。第2章が彼の主張の骨子。第1章は教科書的入門、第3章は現在から見ると今一つ議論が明確でない、第4章は衰退産業というトピックの話。
彼の「戦略」の定義に基づけば、日本企業に戦略はない、というのは殆どの場合に正しいだろう。しかし、「戦略」以前に、「目標」が違ったらどうなのか?日本企業と欧米の企業は本当に同じ目的を目指しているのか?この点について、岩井克人の”会社はこれからどうなるのか”のような視点から見た日本の競争戦略論というのがあり得るだろうか?
- 作者: 岩井克人
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2003/02/01
- メディア: 単行本
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